CRAYONプロジェクトに寄せられる、よくある質問とその回答をまとめました。
一度ご覧いただいたうえで、疑問が解決できない点やもっと知りたい点などありましたら下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
A. CRAYON
BOOKは「乳幼児教育を観察する道具」です。数多くある乳幼児教育プログラム、〇〇式教育などといった特徴あるカリキュラムやメソッドがあるわけではないため、教育の方法論を指定するものではありません。例えば、スマホと言う道具を通して日常的にネット世界に繋がりながら、「これがしたい」「あれがしたい」と思ったときに、様々な目的や用途に合わせてアプリを選びインストールしていると思います。“CRAYON
BOOK≒スマホ”、“教育方法≒アプリケーション”に置き換えて、『CRAYON BOOKという道具を通して日常的に目の前の乳幼児教育を観察しながら、「こう育ってほしい」と思ったときに、その教育の目的やねらいに合わせて方法論を選択して実践する』と捉えてください。そのため、CRAYON
BOOKを導入する時に、チェックシートや項目開設などの冊子以外に何か特別な物を準備したり、今行っている教育方法をまったく変えたりするものではありません。ただし、導入をすることによって「今の保育」をより良く観察した結果として、新しい教材や教具を購入したり、別の方法論を取り入れたりといった、さらに良くするためのポジティブな変化はあるでしょう。
A. CRAYON BOOKは、子どもの発達の基準ではなく何らかの診断を下すためのものではありません。あくまでも、CRAYON
BOOKは「教育サポートツール(道具)」であり、大人の教育的な関わりによって子どもの成長(=概念形成、自己表現)を促すという乳幼児教育に限定していることが発達評価や発達記録(児童票)と大きく異なる点です。もちろん、様々な先行研究から人の身体的な成長発達に基づいてその時期に観察することができる項目を選んでいますので、一部はそれらの発達記録等を作成する際の参考情報として活用することもできます。しかし、CRAYON
BOOKの本質は教育をするために使用するツールですので、教育的な観点でこれからどのように環境を作るのか、大人が関わっていくかを見通すためのものとなっています。そのため、CRAYON
BOOKでは、子どもの「できる・できない」に留まらない「強み・伸びしろ」として、強みをどう活かすか?伸びしろをどう伸ばすか?そのためには”どんな教育”をしたら良いかという提案までが分析によってできるように開発されました。
A. CRAYON
BOOKのチェックは、項目が見慣れないうちは時間がかかります。特に、3-5歳児用のチェック項目は、教育的な目的を持って関わらないと観ることのできない項目もありますので、すべての項目を付け終わるのに1ヶ月をかけて活動の様子をゆっくり見取っていく園もあります。しかしながら、チェックをし続けることで日々の様子とCRAYON
BOOKの項目の繋がりがあまり意識しなくても理解できるようになり(=専門性の向上)、実際導入した園の先生方からは「普段からねらいを持って関わるようになったら、チェックだけだと数分で終わるようになった」「子どもの記録を書きやすくなって、チェックの時間の長さよりもむしろそのような業務への時間的・心理的負担が軽くなった」「子どものために時間を使っていると実感できるので、負担よりもやりがいを感じることが増えた」などの声を多数いただいております。また、何を記録して良いかわからない新任の先生などにとっても、どんな視点で子どもを見たら良いかの指針になったり、ベテランの先生の関わりの意図に気づいたりすることで、子どもの記録の文章がぐんぐん伸びた(=専門性が高くなった)と園長先生から伺いました。
A. 在籍クラスではなく、チェック開始時の子どもの実年齢に合わせて0か月から11か月までは「0歳用」、1歳0か月(12ヶ月)から2歳11か月までは「1-2歳用」、3歳0か月から卒園までは「3-5歳用」が対象となっています。実年齢に合わせるということは、例えば、「2歳児クラス」に在籍している子でも、年度途中で3歳になった場合には3-5歳用のCRAYON
BOOKを使うことを指しています。
A. 0歳児は特に身体の機能的な発達が著しい時期でもあり、月齢によってはもちろんチェックが難しいと感じる項目はいくつかあると思われます。【視覚概念】は母親が見えなくなったことに不安がって泣いたり(人の顔を覚える)、【聴覚概念】近くのおもちゃの音のほうを見たり手を伸ばしたりする(右から聞こえる)といった、普段のちょっとした様子から子どもの育ちを観察できるでしょう。【言語概念】や【数概念】においても基本的に同じように観察しますが、よくわからないときにはあえて場面を設定することで確認することができるでしょう。バイバイと言いながら手を振ったら手を振り返す(言語)、目の前の物を突然隠したら驚いたり探すように手を伸ばしたり見回したりする(数)などの様子が見られるかもしれません。子どもの五感を刺激するように、色々なものを目の前で動かして反応の違いを見たり、どのくらい小さな声で反応してくれるかを試したり、触ってみて気に入るようなものがないか試したりすることで、表情や動きから反応の違いを見ることができれば、それを手掛かりに概念形成の様子を評価することができます。